肺癌が急増
肺癌は、胃癌や子宮癌が減少しているのに対して、近年、急激に増加しています。とくに75才以上で増加が著しくなっています。肺癌は、罹患率、死亡率は男性のほうが女性より高く、女性の3倍から4倍になります。癌で亡くなった人数を部位別に多い順に並べると、肺癌は男性で第1位、女性で第2位です。
肺癌は、大きく2つに分けられます。肺門癌は、主気管支とそこから枝分かれした、左右の肺葉気管支までの部分にできる癌です。肺野癌は、末梢の気管支から肺胞に至るまでの部分にできる癌です。また、その組織や性質のちがいによって、腺癌、扁平上皮癌、小細胞癌、大細胞癌の4つの種類に分類されます。扁平上皮癌と小細胞癌は、肺門部にできやすく、腺癌と大細胞癌は、肺野部にできやすいことがわかっています。
肺癌と喫煙との関係は明らかです。扁平上皮癌と小細胞癌は喫煙者に多発しています。いっぽう、腺癌と大細胞癌については、喫煙に関係なく発生しています。その原因はいまのところわかっていません。大気汚染や、粉塵の多い環境で長年過ごすことも関係しているといわれています。
肺癌の症状
肺癌の症状は、なかなか治りにくい咳や胸痛、呼吸時のゼーゼー音、息切れ、血痰、声のかれ、顔や首のむくみなどが一般的症状です。扁平上皮癌や小細胞癌に多い肺門型の肺癌は、早期から咳、痰、血痰などの症状があらわれやすいものです。腺癌に多い肺野型の肺癌は、癌が小さいうちは症状があらわれにくく、検診や人間ドック、高血圧などの他の病気で医療機関にかかっている時に見つかることが多くなっています。
肺癌の治療
肺癌のおもな治療法は、手術療法、放射線療法、薬物療法の3つです。肺癌の進行度に合わせておこなわれます。癌が小さい1期や2期では、開胸手術が基本ですが、近年、検査法の進歩により、早期癌の発見が可能になったことにともない、とくに初期の癌に対して、より体への負担が少ない新しい治療法が開発されてきています。その一つが、内視鏡を使って癌を摘出する胸腔鏡下手術です。切開する範囲が小さいので、体への負担が少なく、肺の機能をほとんど損なわないのが大きな特徴です。また、現在のところ、この手術が行える医療機関は限られています。
- 肺癌の検診
肺癌の検診は、咳、痰などの症状がある場合、最初に胸のレントゲン検査をします。つぎに癌かどうか、あるいはどのタイプの肺癌かを顕微鏡で調べるため、肺から細胞を集めます。通常は痰の中の細胞検査をします。
- 肺癌による死亡者数
肺癌による死亡者数をみると、1960年は5,171人、1988年は、5万460人で、約40年の間に10倍に増加しています。肺癌は、治りにくい癌で、男女あわせた死亡者数では、すべての癌の中で第1位となっています。
肺癌は、早期発見はなかなか困難な癌です。定期的な検診を受けるほか、せきや痰が続くときは、できるだけ早く精密検査をうけることが必要です。
※肺癌の情報に関する注意:肺癌の情報にかぎらず、医療情報をホームページや書籍などでさがす場合、情報は1つに絞らないでください。また、これらの情報は、あくまでめやすと考え、予備知識として活用してください。実際の症状や治療法は各個人により異なります。ご自身の健康問題に不安のあるかたは、かならず専門の医療機関に相談してください。なお、当サイトの記述について、実際に起こった紛争等に関する一切の責任は負いません。予めご了承下さい。
※膵臓癌はかつて、日本ではあまりみられなかったが、食生活の変化にともない増加。慢性肝炎や膵石症、あるいは糖尿病などの関係があるとみなされている。